2024/06/15 サマコン2ステ合奏

文責:03 仲田, 04 秋葉

☆前書き

こんにちは.
03 Trbの仲田です. 今回の部日誌のお題は 「先日の決起でビール orハイボールを飲んだ人」でした. 思ったより 飲んだ人は少なかったようですね 2年近く部日誌を回避し続けた私ですが,この(比較的)年上層狙い撃ちのお題によって部日誌を担当することになってしまいました.拙い文章ではございますが,数分間お付き合いください.

☆今回の合奏内容

最初に今回の合奏内容を自分なりにまとめておきます.
今回の合奏では,まずナブッコ序曲のクオリティを卓越させるために,中間部をみんなで歌ってみようという企画が行われました.ナブッコの冒頭コラールの音源を 3パターン聴き,どのような 印象・情景を感じたか意見交換もしました. その後,基礎合奏を行いました.今回の基礎合奏は,声を使って自由に表現できるかということが重要だった気がします.曲の合奏は,ナブッコ序曲についてはテンポが変化する部分および中間部を重点的に練習し,曲がどのような情景を表しているのか 把握し, 他の楽器を聴くという意識をみんなで共有しました. Angels in the architectureは, 曲の合奏に入る前にブラームスの交響曲第一番第四楽章を聴いて分析的な曲の聴き方や 、 2回出てくるコラールの意味などについて考えました。その後の曲合奏は 各 フレーズの関係性や大まかな曲の流れ、持っていき方に重点を置いたものでした。

☆指揮者からの指示

1. 基礎合奏 チューニング・バランス練習・ハーモニー( B・ Es )

<チューニング>
  • Fの倍音を聴いて,周りの人とずれているか認識し,どうやったら馴染めるかを考えよう.
  • チューニングの段階で体を楽に使って響かせることを意識しよう.
  • Tpと Clの topの人: Tpは Clに対して溶け込もうとするのではなく, 2 topである Clは Tpの半歩先にいるというイメージを持って吹く.
<バランス練習>
  • 歌う部分 →発生練習の時の身体の使い方を 思い出そう
  • ブレス後の発音に注意

cf)歌う時の 姿勢
足は肩幅に、軽く胸を張って肩をすっと上げて落とす、顎は少し落とす.オペラ歌手になったつもりで,歌も(楽器も)遠くまで飛ばす意識を持つ

<ハーモニー>

意識すること→

  • しっかりとした響き
  • 和声それぞれがどんな表情や色を持っているか考える

具体的には:

  • 響きを合わせるために・・・各自の音をみんな”で ” 主役(だけどきっちり溶け込む)の意識を持って「ア」の音で歌ってみる
  • 主役っぽくやるために・・・歌う際に手,身体を動かして表現する.和音が明るいのか暗いのかを表情に表す.

楽器の方が制約多いので,声で自由に表現できることが重要です!!!

For Cl.

管が木でできているので,「 燈 」に 火がボッって着くイメージで楽器を鳴らしてほしい

「薄暗い部屋の机の上に、一つ燈灯が置いてあって、そこに灯りを灯す感じ 」(井上 2024)をイメージしましょう

↑井上氏の協力のもと, 生成 AIを用いて 井上氏のなかのイメージを可視化してみました.

(ハーモニーの各グループの役割についても説明されていましたが,メモが追いつかなかったのでパートの人に確認をお願いします)

  • 最後にオルガンの音を意識してハーモニー練習をすると,全然違う良い感じになったのが実感できた

ちなみに・・・オルガンサウンドについて

みんなの音色・音程などがピッタリあった時,まるでオルガンのように聴こえる
参考音源↓を是非是非聴いてほしい
参考音源:【コラールで全国金賞】 カンタベリーコラール [94年:関東第一高 ]

2. ナブッコ序曲

〜指揮者のイメージするナブッコ冒頭の情景 〜
ど頭コラール:エルサレムの城があって,そこに遠くからナブッコ軍がラッパを吹きながら近づいてくる様子
A:カメラが俯瞰図からエルサレム城内に切り替わった.城内は近づいてくる敵軍に慌てふためく様子
B:ナブッコ軍がどんどん近づいてくる B後半からは徐々に ”暗さ ” が侵入してくる感じ
C:エルサレムの中(仲間内)に裏切り者がいるぞ という疑心暗鬼な感じ
F〜: 楽器の本数をずらして書かれている
Ob・ Clのソロ→希望を求める祈り
tutti 抑圧されてきた民衆が初めて声を出すシーン.ソロの希望を求める祈りに応える形で一緒に祈る

<ナブッコの指揮の振り方について>

ナブッコの指揮は拍頭より速めに振っている.指揮は“パルス ” を出している.→指揮をガン見して拍を合わせようとするのではなく,各自の中でテンポを持っていて指揮は合図としてみることが重要.

パルスとは
箱ティッシュのティッシュをシュッッって抜き取ることをイメージする
→ティッシュの動きがビート,抜き取ろうとする 手の動きがパルス

<全体向けの指示>

中間部:ソロだけを聴いて、指揮なしで伴奏が合わせる練習をしました.
ポイント:メロディーの 3拍目の ため を聴く
→ソリストが立ってなくてもソリストの動きに合わせられるように耳を使おう(伴奏がソリストを越えることはないように)
伴奏組は指揮を注視するのではなく、ソリストを聴きつつ指揮を視界にいれておくくらいで吹く
→緊張感が生まれて集中できている、その感じを覚えて ほしい

103〜 107:
ソロClとBassClの2人のritの感じをみんなで共有した →それを覚えておく
ポイント:Obのトリルを聴くと吹きやすくなる

131以降:
rit忘れないように!
チンバッソが引っ張ってくれるのでみんなそれに追従しよう
ritして遅くなっても、 Mからはテンポ 80まで復活する

O〜:
pの音 楽器が反応しすぎている,楽器が反応しないギリギリを狙って吹く

<各楽器向けの指示>

63〜 Bsn,Hr:
主旋律の< >の動きをサポートするように吹く (ただし、p の範囲内で)  2 小節ごとに山を作る感じ

67,68 小節目刻みの人:
F1 前の 3 拍目を重くしすぎない、次の拍に向かうという意識を心がけて

F〜 2nd Cl,Bass Cl,T.Sax:
f なのでもうちょい吹いてもいい&音程が見えるように→そのための練習として全部テヌーティッシモで吹く 要練習

85〜 Fl:
スタッカートつける.弦を弾いた後の余韻の n を表現したスタッカートで!


3. Angels in the architecture 

○ブラームスの交響曲第 1 番第四楽章を聴いてみよう!

<目的>
  1. ベートーベンと似ている部分を探したり、2 回出てくるフレーズなどを探したり、分析的な観点で曲を聴く練習をする
  2. 2 回でてくるコラールはどんな意味がある?

○曲合奏

49〜 Cl:
メロディーだんだん間隔が短くなる

49〜 A.Sax:
テンポ感作る

47〜
p にしっかり落とす(その後との対比)

97〜 Cl,Hr34:
メロディー(これを聞くと吹きやすい)

107〜 Hr:
のスケールは(ホールトーンスケール)曲が浮いていく感じ

130〜 木管:
木管下りと上りで渦ができる感じ

162〜 :
mp への落ちもっと大きく! 

172〜 Fl:
マリンバ聴く!

276〜 Cl :
クラソロの最初の 3 つが 183〜のメロディーの最初と一緒

293〜 上の声部:
メロディー超さない

314 :
前全員ブレス!

306〜314 :
クレッシェンド頑張ろうソラシド ト短調の最初の四つ→テーマに近い!
コラール 最後に暗くなって終わる(→何を意味する…?)

281 :
メロディ重ねながらクレッシェンド

326 B.sax Euph:
B♭EB♭G は Gmスケールのミ♭レミ♭ドに値する。この 4 つの音はクラシック音楽の文脈で現れるとき死を意味する。

ちなみに・・・この「死の旋律について」
由来はグレゴリオ聖歌の怒りの日「ディエス・イレ」。 この死を表す音列や短調っぽいハーモニーが出てくることを念頭に演奏しよう。23 の始めの三音(動機 2)にも共通性がある。(!!)このように特定のイメージと音楽が結びつくことを「固定楽想」といいます。キリスト音楽(クラシック音楽以前)のあと、ロマン派移行時に定着し、これによって必ず宗教的な意味を持っていたこの音列から宗教性の分離が起きました。(つまり単に死の象徴として使われるようになった。)この固定楽想、最初の例がベルリオーズの幻想交響曲(1830)これがまた伏線となって… ティケリのベスヴィアスにも実は隠れています、探してみましょう!

ここで、今回の合奏で触れられた曲の構成的な部分を
以下 にまとめておきます。合奏後に 指揮者に確認
したところ変更された部分もあるので 、 皆さん是非ご確認ください。

〜指揮者のイメージする Angels in the architecture 149まで〜
闇の部分 23~ 149
提示部 38~ 60
10~ Fl 動機1
23 三つの音→短調の始めの3音 動機2
38 A.Saxテーマ
60〜 動機12、効果音(押し寄せを含む)、動機2、効果音(押し寄せ)
77~ 八分音符ずれで動機1が始まる
82、 83 崩壊
→84 新しい世界に、ただし一度崩れていることが 2拍 3連を生む
 その後さらに切迫感が増し、四分音符隊もずれていく
→90でメロディーに 四分休符がつく
97 ゆがみにより四分の三拍子に
  その後ゆがみの蓄積が八分の七拍子に
  一旦落ち着く
123~ 音の数が増えていく(これが今までのリズム的な崩壊ではなく音の飽和(崩壊)を生む)
144 あたりで崩壊する
祈りへ

☆あとがき

お疲れ様です04Trbの秋葉です。 詳しい自己紹介は Trbのchannelを見ていただければと思います。自分の話になりますが、まだまだ未熟かつ知識不足 なので、合奏中思ったこと、私個人に対してでもトロンボーンパートについてでも、なんでも教えていただきたいです。 (特にナブッコ冒頭
残り少ない練習期間ですが、 一生に一度のこのメンバーでのステージ、 皆さんと本番楽しんで演奏が出来るよう頑張ります!頑張りましょう!